『女のいない男たち』のまえがきを読めば村上春樹が好きになる!

世界的に有名であるといっても過言ではない、村上春樹さん。

Twitterでよく、村上春樹さんの小説苦手…という声を聞くのですが、いやはや本当にもったいない!!

村上春樹ワールドを好きになって、損なことなんてひとつもないのに!!

と、大の村上春樹ファンとしては思うのです。

そこで今回は、あの独特の文章が苦手・・・そんな方にこそ一度読んで欲しい村上春樹さんのある小説の一節をご紹介したいと思います。

これを読んだら村上春樹の世界に足を踏み入れたくなるはず。

村上ワールドへいらっしゃいませ、どうぞごゆっくり。

『女のいない男たち』における前書きのインパクトが半端じゃない

さて、今回ご紹介したいのは『女のいない男たち』という小説です。

簡単にあらすじを紹介すると「妻と死別したり、離婚したり、恋人を失ったりした男たちの心情を描いた物語」です(ざっくり)。

5つの短編が収録されていますが、紹介したいのはその短編のひとつではありません。

この小説の「まえがき」の最初の8行が最高におもしろいんです!!

わたしが初めてこの「まえがき」を読んだとき

「村上春樹最高・・・かわいい・・・」

と、愛おしささえ覚えました。

それくらい衝撃的なまえがきでした。

そんな「まえがき」の何がおもしろいのか、自分なりに解説していきますね。

村上春樹は「まえがき・あとがき」が嫌いらしい

まず注目してほしいのは1行目。

長編小説にせよ短編小説にせよ、自分の小説にまえがきやあとがきをつけるのがあまり好きではなく …中略… そういうものをできるだけ書かないように心がけてきた

たしかに、村上春樹作品は「解説」はあっても、あとがきはあまり見たことがありません。

ましてや、まえがきから始まる小説は『女のいない男たち』以外に出会ったことがない。

ここで秀逸だと思ったのは上の引用で「…中略…」と書いた部分です。

それがこちら。

(偉そうになるか、言い訳がましくなるか、そのどちらかの可能性が大きい)

ここに村上春樹さんのすべてが表現されているんです・・・

偉そうになりたくない、言い訳もしたくない、そう思いながらもまえがきを書いている村上春樹氏。

どうですか、愛おしくないですか・・・!!

こうやって、( )つきで書いてるところが本当にかわいい(失礼)。

なぜ『女のいない男たち』では嫌いなまえがきを書いたのか

その理由がこちら。

『女のいない男たち』という短編小説集に関しては、成立の過程に関していくらかの説明を加えておいた方がいいような気がするので、あるいは余計なことかもしれないが、いくつかの事実を「業務報告」的に記させていただきたいと思う。

「業務報告」的…はてさて、それはなんぞや?

かなりかみ砕いて言うと、

「この小説はどうやって出来上がったかを説明した方がいいかなーと思ったから、いつもはまえがき書かないけど今回は書いちゃうね!

もしかしたら書かないほうがいいかもしれない…でも、やっぱり知っておいてほしいことだから、報告書みたいな感じで書くね!!」

ってことです、きっと。

だめだ、かみ砕いちゃうと余計にかわいい…抱きしめたい…(本当に失礼)。

 

というわけで、『女のいない男たち』に関しては出来上がった過程を説明したほうがいいかな、と思ってまえがきを書いたようです。

ラスト3行で村上春樹のかわいさが爆発

「あとがき」のラスト3行載せておきます。

偉そうにもならず、言い訳がましくもなく、邪魔にならないようにできるだけ努めるつもりだが、結果には今ひとつ自信が持てない。

↑ ここ、萌えポイントです。

邪魔にならないように「努める」・・・

結果には今ひとつ「自信が持てない」・・・

 

言い回しがかわいすぎるんだよおおおぉぉぉお!!!!

 

 

 

はあ、村上春樹への愛が止まらず取り乱してしまいました。

失礼しました。

何が伝えたいかって、村上春樹さんの文章は「謙虚で美しい」ということなんです。

常に一歩引いて物事を考えられる。

自分の書く内容について客観的に考察することができる。

あと、誰よりもユーモアがある。

 

村上春樹作品はなんか難しそうだなぁ、なんて思っている方。

おっしゃるとおり、村上春樹さんの物語は言い回しが独特すぎて読みにくいです。

途中でなに言ってんだこの人、って思っても仕方ありません。

しかしながら、その読みにくさこそ、愛の結晶なんです。

そのひとつひとつの文章に愛があるんです。

だから、読まず嫌いの方にはぜひ、この『女のいない男たち』のまえがきを読んでいただきたい。

このまえがきが読めるならきっと、他の作品にも手を伸ばせるはずです!

あと、村上ワールドの中でも比較的読みやすい作品として『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』を挙げておきます。

ある日突然、仲良しグループ全員から無視されるようになった多崎くんが、数年後にその無視の原因を突き止めていくお話です。

村上春樹かわいい・・・を理解してくれる、仲間が増えますよーに。

 

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2 COMMENTS

カーリー

こんにちは
村上春樹さんは、自著に関して文章を書くのが苦手なようで、その裏返しか、たまにある、前書き、後書きが名文になる事がありますよね笑

わたしも男のいないの前書きは、照れかくしがチラホラで萌え萌えです。蛍、納屋を焼く(だったかしらん?)の後書きもの最後も、

上手く言えないんですが小説を書くのは好きです。

萌えますうぅ(#^.^#)

前書き、後書きについてこんなに綺麗な清潔な文章をかける、はなこさんの、文章感性に頭が下がります。はなこさんの文章も萌えます、けど(#^.^#)
わたしは、これ読んで文庫版かったゃった(^O^)

hanakosan

カーリー 様
村上春樹さんのことを可愛い!と言ってくれる仲間が増えて
嬉しい限りです…萌えますほんとうに。笑
この記事を読んで文庫版買っていただけたなんて…
めちゃくちゃ嬉しくて、ブログやってて良かったなと思える瞬間です。
ありがとうございます!!

はなこ

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